2004 Fiscal Year Annual Research Report
固体表面を利用したレーザー法による同位体分離の研究
Project/Area Number |
16750021
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
佐伯 盛久 特殊法人日本原子力研究所, 物質科学研究部, 研究員 (30370399)
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Keywords | 同位体分離 / レーザー法 / 固体表面 / 光脱離 |
Research Abstract |
同位体とは同じ原子番号をもちながら質量数:が異なる原子のことであるが、物質を構成する元素の同位体比を変化させることにより、物性を制御した材料を作ることができる。同位体比率を制御した材料を製作するためには、様々な元素について適応可能な同位体分離法を開発する必要がある。そこで本研究では新たな同位体分離法の開発を目的として「固体表面を利用したレーザー法による同位体分離」の可能性を追究する。この方法では固体基板上に試料原子を吸着し、特定の同位体の電子遷移または振動遷移に共鳴する波長のレーザー光を照射し、その同位体のみを基板から脱離させ同位体分離を行う。紫外光または赤外光による吸着試料の脱離を試み、本手法が可能性を検証する。 本年度は実験を行う為に必要な高真空装置の製作・調整および、同位体試料生成装置の組み立てを行った。高真空装置はターボ分子ポンプを備えた真空チェンバーに(1)基板表面を清浄化するためにイオン銃、(2)同位体分離を行う試料を基板上に導入するための原子・分子ビーム発生装置、(3)試料を吸着する時には基板を冷却し、分析する時には基板を加熱して試料を脱離させる昇温脱離装置、(4)昇温脱離装置により脱離させた原子・分子を分析するための四重極質量分析装置、(5)表面観察を行う為の反射高速電子回折(RHEED)装置を取り付けたものである。特に、(2)および(3)に関しては自ら設計をし、装置の組み立てを行った。(1)一(4)の装置を真空チェンバーに取り付けた状態で真空引きを行い、実験を行う為には最{邸艮必要な真空度を達成していることを確認した。さらに、その状態で原子・分子ビーム発生装置を動かし、パルスビームを発生させる為の条件を確認した。また、昇温脱離装置により基板の温度を一16e度から800度まで調節できることを確認した。これから製作した装置とレーザーを組み合わせ、本格的な実験にとりかかるところである。
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