2005 Fiscal Year Annual Research Report
高周期典型元素と炭素との超原子価結合を環内に含む三員環化合物の合成と性質の解明
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16750028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
狩野 直和 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00302810)
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Keywords | ホスフィラン / シリラニド / ホスフィレン / 三員環化合物 / リンイリド / ジオキサホスホラニド / 超原子価化合物 / NMR |
Research Abstract |
前年度までに合成した五配位ホスフィレンの二重結合部位へのハロゲン付加反応およびDiels-Alder反応により、五配位ホスフィランへの変換を検討したが、前者ではリン-炭素間結合の開裂が優先し、後者では未反応に終わった。そこで、文献既知の手法を参考にして三配位ホスフィランを合成し、そのo-クロラニルとの[4+1]付加環化反応によりホスフィランの五配位化を検討した。三員環の炭素が無置換のホスフィランの場合には、三員環内のメチレンからプロトン引き抜きが進行したため、開環してビニルホスフィンオキシドが生成した。プロトン引き抜きを防ぐために二つの第四級炭素を環内に有するホスフィランを用いて同様の反応を行ったところ、^<31>P NMRで高磁場にシグナルが観測され、五配位ホスフィランの生成が示唆された。また、別経路による方法としてMartin配位子を有するリンイリドとジフェニルジアゾメタンと反応により、五配位ホスフィランの合成を試みたが、アジンの脱離とともに生成した環状亜ホスフィン酸エステルとジフェニルジアゾメタンが反応し、イミノホスホランが得られた。その検討過程において、Martin配位子を有するリンイリドと水との反応によって、二つの五配位リン原子が酸素で架橋されたジホスホラニルオキシドが生成することを見いだした。次に、五配位シリラニドを合成するべく、Martin配位子を有するβ-(トリブチルスタンニル)アルキルシランに対してブチルリチウムを作用させてスズ-リチウム交換をして、分子内環化による合成方法を検討した。反応溶液のNMRによる観測、生成物の分析から、一部は予想通りにβ-リチオアルキルシランが生成するものの、アニオン分子内環化が完全には進行していないことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)