2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポリアミン骨格を有する新規光学活性相間移動触媒の開発と応用
Project/Area Number |
16750032
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 太一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40372560)
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Keywords | 光学活性相間異動触媒 / ポリアミン / アミノ酸誘導体 / 不斉アルキル化 / 有機触媒 / 不斉合成 |
Research Abstract |
光学活性相間移動触媒の不斉合成への利用は近年ますます増加しており、より高い反応性及び選択性を有した触媒の開発が急務となっている。従来は天然由来の光学活性アミンであるシンコナアルカロイド類から誘導される光学活性相間移動触媒が汎用されてきたが、最近当研究室にてN-スピロ型光学活性四級アンモニウム塩が相間移動触媒として開発された。この新しい光学活性相間移動触媒を用いることで、様々な不斉反応において従来の触媒にない非常に高い反応性と選択性が得えられている。しかし、従来のシンコナアルカロイド類由来の触媒に比べて、その合成には多段階を要することから、目的の反応や基質に応じた最適な触媒を創製することが容易とは言い難いのが現状である。 このような状況をふまえて本研究では、種々の誘導体をより簡便に調製し得る光学活性四級アンモニウム塩を設計し、それらを相間移動触媒とした不斉合成反応への応用を行った。具体的には市販で入手容易なポリアミンと不斉源としてのビナフチル化合物から、分子内に複数のアンモニウム塩部位を有した化合物を調製し、それらを相間移動触媒として用いてグリシン誘導体の不斉アルキル化反応を行ったところ、良好な触媒活性およびエナンチオ選択性が得られた。用いるポリアミンによっては生成物の立体化学が逆転する現象も見出されており、これはポリアミン骨格の構造が不斉場の構築に大きく影響していることを示唆している。
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Research Products
(1 results)