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2005 Fiscal Year Annual Research Report

X線分析によるエジプト出土イスラームガラスのステイン装飾技法の研究

Research Project

Project/Area Number 16750065
Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

保倉 明子  東京理科大学, 理学部, 助手 (20343569)

Keywordsイスラーム・ガラス / ポータブル蛍光X線分析装置 / 化学組成 / ナトロン・ガラス / 植物灰ガラス / 放射光 / 金属顔料 / ラスター彩
Research Abstract

中世イスラーム時代のラスター彩ガラス表面には銅や銀の顔料を用いて製作された赤、黄、褐色の美しい装飾が施されている。これらの発色は金属コロイド粒子によるものとされているが、その存在状態や製作技法の詳細は明らかでない。本研究では、ラスター彩ガラスの製作技法を解明するため、発掘調査を行なっているエジプト・シナイ半島へポータブル蛍光X線分析装置を持ち込み、現地で分析を行なうことで、ガラスの組成を明らかにすることを目的とした。
エジプトでは出土した遺物を国外へ持ち出すことは禁じられている。このため、本研究では、企業と共同でポータブル蛍光X線分析装置を開発し、(財)中近東文化センターイスラーム・エジプト調査室(川床睦夫発掘調査隊長)により発掘調査が行なわれているエジプト・シナイ半島へ装置を持ち込んで設置し、現地で分析を行なった。
イスラーム・ガラスは、原料であるアルカリ源の相違からナトロン・ガラスと植物灰ガラスとに分類されている。ラーヤ遺跡城塞区から出土したガラスを分析したところ、K_2O vs.SrOのプロットにより、大きく二種類のガラスグループに分類され、ナトロン・ガラスと植物灰ガラスの二種類が混在していることが明らかとなった。一方、ラーヤ遺跡居住区から出土したガラスの分析結果では、植物灰ガラスはほとんどみられず、ほとんどがナトロン・ガラスであった。さらにナトロン・ガラスの中でもSrO濃度が高いガラスと低いガラスの存在が示唆され、非常に興味深い結果となった。今後は出土層位との照らし合わせを行なうなど、より詳細に年代との関係を考察し、一方、組成の面から原料や製造地について知見を深めることが課題である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2005

All Book (3 results)

  • [Book] エジプト・シナイ半島 ラーヤ・トゥール地域の考古学的調査 第24次(2004年度)2005

    • Author(s)
      加藤慎啓, 保倉明子, 中井 泉, 真道洋子
    • Total Pages
      101(11)
    • Publisher
      (財)中近東文化センター
  • [Book] Archaeological Survey of the Raya/al-Tur Area on the Sinai Peninsula, Egypt 20042005

    • Author(s)
      N.Kato, A.Hokura, I.Nakai, Y.Shindo
    • Total Pages
      92(10)
    • Publisher
      The Middle Eastern Culture Center in Japan
  • [Book] ガラスの博物誌 〜ガラス文化の源流を辿る〜2005

    • Author(s)
      保倉明子, 加藤慎啓, 沢田貴史, 中井 泉
    • Total Pages
      98(2)
    • Publisher
      (財)中近東文化センター

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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