2004 Fiscal Year Annual Research Report
シクロブテノンを経由する新規合成反応の開発および生理活性化合物合成への応用
Project/Area Number |
16750077
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
八谷 巌 三重大学, 工学部, 助教授 (50312038)
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Keywords | イミン / 共役付加反応 / シクロブテノン / 2-ピリドン / イミノピリジン / ケチミン / 環拡大 / シクロアルケノン |
Research Abstract |
三重結合を持つアルキニルイミンに置換基を有するマロン酸エステルのナトリウム塩を作用させたとき、共役付加反応が進行した後、分子内求核付加反応が進行することにより生じたシクロプテノン開環反応を経由することによって、5位にエステル基を有する2-ピリドンが得られることを見出している。この従来にはない反応機構に着目し、マロン酸エステル、β-ケトエステル、またはシアノ酢酸エステルを求核剤に用いるアルキニルイミンへの共役付加反応により、4員環を経由する新規合成反応を開発できるのではないかと考え検討した。すなわち、(1)多置換2-ピリドンの合成、(2)多置換イミノピリジンの合成、(3)環拡大反応による中員環の合成を行った。その結果、求核剤に置換基を有するβ-ケトエステルを用いることによって、5位にアシル基を有する2-ピリドンを合成できることを見出した。アルキニルケチミンを用いた場合には、エステル基またはアシル基を有する3,4,5,6多置換2-ピリドンが合成できることも明らかにした。また、求核剤に置換基を有するシアノ酢酸エステルを用いたとき、5位にエステル基を有する多置換イミノピリジンを合成できることを見出した。さらに、2位にエステル基を有するシクロアルカノンを求核剤に用いることによって、アルキニルイミンへの求核付加反応が進行した後、分子内環化さらに環拡大反応が進行することによって、2炭素増炭したシクロアルケノンが良好な収率で得られることも明らかにした。
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