2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16750080
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大平落 洋二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60324810)
|
Keywords | アゾメチンイリド / 1,3-双極子シクロ付加反応 / 高圧反応 / 固相合成 / BINAP / 不斉合成 / 銅触媒 / Wang Resin |
Research Abstract |
1,3-双極子の触媒的不斉シクロ付加反応において、立体選択性の制御と基質一般性の拡張は重要な課題である。これらの問題を解決しさらに新しい効果を得るために、高圧条件下における固相上での触媒的不斉合成を検討した。具体的には、固相反応では本来の精製プロセスの簡略化に併せて、樹脂のかさ高さを利用した立体選択性の向上、高圧反応では反応時間の短縮だけでなく常圧下とは異なる立体選択性の発現や、より厳密な不斉場をもつキラル配位子の利用が期待できる。本年度は、銅-BINAP錯体触媒下のアゾメチンイリドの不斉シクロ付加反応における固相反応と高圧反応をそれぞれ確立するために研究を進めた。 1.固相上でのアゾメチンイリドの触媒的不斉シクロ付加反応 アゾメチンイリドの出発物質であるイミンを樹脂上に担持して反応を行うために、適切な樹脂やリンカーの選択や切り出し条件の検討を行った。その結果、芳香環を含むリンカーをもつWangレジンを用いた場合に不斉収率を維持しながら、ジアステレオ選択性を向上させることに成功した。また、本反応は低温において高い不斉収率を発現することから、低温でも高い膨潤率を保つことのできるJanda gelを適用することにより、低温条件で反応性の低下を抑制しながら高い不斉収率でシクロ付加体を得ることができた。 2.高圧条件下でのアゾメチンイリドの触媒的不斉シクロ付加反応 高圧条件下では、反応に複数の遷移状態が考えられる場合、最も分子体積が小さくなる経路で反応が進行することから、常圧とは異なる立体選択性が得られる場合がある。本研究では、様々な置換基をもつイミンを用いて反応を検討したところ、圧力によってジアステレオ選択性が変化するだけでなく、不斉収率の向上が見られた。同時に、常圧では反応の進行が困難な基質においても高い収率でシクロ付加体を得ることに成功し、基質一般性の拡張に成功した。
|
Research Products
(2 results)