2004 Fiscal Year Annual Research Report
非立体反発型誘引的相互作用によるエナンチオ制御を機軸とした新規不斉触媒反応の開発
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16750082
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
是永 敏伸 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (70335579)
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Keywords | ペンタフルオロフェニル基 / スタッキング相互作用 / オキサザボロリジン / ボロン酸 / 鈴木-宮浦反応 / カップリング反応 / 分子ピンセット / 静電相互作用 |
Research Abstract |
研究課題に従い、本年度は3点に焦点を絞り研究を推進した。 (1)パーフルオロアリール基を有する金属錯体の分子設計・合成、及び触媒反応の検討 ホウ素上にペンタフルオロフェニル基を導入した不斉オキサザボロリジン触媒と、反応基質のケトン化合物のアリール基とをスタッキング相互作用させ不斉触媒反応における立体制御を行おうとした。分子設計の後、新規オキサザボロリジン触媒の合成を行ったが、ペンタフルオロフェニル基の特異な反応性のため一般的なオキサザボロリジン合成法では合成できないことがわかった。そのため新たな合成法を開拓し、ホウ素上にペンタフルオロフェニル基を有する新規オキサザボロリジン触媒を合成することができた。 (2)パーフルオロアリール基の新規導入反応の開発 (1)でも報告したように、ペンタフルオロフェニル基の特異な反応性は、新規分子の開発の障害となる。実際、ビアリール合成の代表的反応である鈴木-宮浦反応にペンタフルオロフェニルボロン酸を用いても反応は進行しない事が知られている。そこで、ペンタフルオロフェニルボロン酸を用いても効率的に進行する反応条件の検討を行った所、ヨウ化アリールや臭化アリールとのカップリング反応においても90%以上の収率で目的のビアリールが得られる反応条件を確立することに成功した。 (3)パーフルオロアリール基が関与する新規相互作用の探索 ペンタフルオロフェニル基とアリール基の相互作用を有機溶媒中で利用した例は極めて少ないが、これはこの相互作用の有機溶媒中での挙動が知られていないためである。そこで、新規相互作用の探索に繋げる意味も含めて、この既知の相互作用の有機溶媒中での知見を得ようと考え、そのためのプローブ化合物としてペンタフルオロフェニル基を有する分子ピンセットを開発した。この分子ピンセットを用いて、THF溶媒中でさまざまな芳香族化合物と会合させることにより、有機溶媒中でもなお静電相互作用が重要であることを見出した。
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Research Products
(1 results)