2005 Fiscal Year Annual Research Report
不斉触媒反応への実用的展開を指向した光学活性アザフェロセン合成法の開発と応用
Project/Area Number |
16750084
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福田 勉 長崎大学, 大学院生産科学研究科, 助手 (80295097)
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Keywords | 安定型アザフェロセン / エナンチオ選択的リチオ化 / 2位官能化 / 面不斉導入 / (-)-スパルテイン / sec-ブチルリチウム |
Research Abstract |
本年度は昨年度開発した安定型アザフェロセン、3,4-ジフェニル-1',2',3',4',5'-ペンタメチルアザフェロセンのエナンチオ選択的リチオ化-2位官能化による面不斉導入に関して検討を行った。 まずエナンチオ選択性の発現に必要な光学活性ジアミン系2座配位子の検討を行った。反応は、光学活性ジアミン系2座配位子の存在下、エーテル中、-78℃にてsec-ブチルリチウムと3,4-ジフェニル-1',2',3',4',5'-ペンタメチルアザフェロセンと反応させ、生成したリチオ体をパラホルムアルデヒドで処理するという条件にて行った。その結果、(-)-スパルテインを使用した系がもっとも高い不斉収率で目的とする2位ヒドロキシメチル体を生成した。次に溶媒量、塩基等についても検討を行いリチオ化反応における条件の最適化を行った。 以上のようにして確立したエナンチオ選択的リチオ化の条件を使用してリチオ化した後、各種求電子試剤(パラホルムアルデヒド、ヨウ素、クロロトリメチルシラン、クロロジフェニルホスフィン)との反応を行ったところ、良好な収率(40〜84%)並びに不斉収率(72〜79%ee)で対応する2位官能化体(ヒドロキシメチル体、ヨウ化体、トリメチルシリル化体、ジフェニルホスフィニル化体)を与えた。 また合成した官能化体のうち2位ヒドロキシメチル体を使用して不斉触媒反応に使用可能な不斉配位子への誘導も行った。
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