2005 Fiscal Year Annual Research Report
アルキルメタロイドと遷移金属触媒を活用した生理活性物質合成の開発
Project/Area Number |
16750085
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木村 正成 長崎大学, 大学院生産科学研究科, 助手 (10274622)
|
Keywords | ニッケル / 有機ホウ素 / 有機亜鉛 / 共役ジエン / ホモアリル / アルドイミン |
Research Abstract |
トリエチルホウ素とパラジウム触媒存在下、アリルアルコールとインドールを反応させると、インドールの3位炭素に対する親電子的アリル化反応が進行した。本反応はインドールを母体骨格に含むトリプトファンに対しても適用でき、抗コリンエステラーゼ作用を示すフィゾスチグミン誘導体を一段階で合成できることに成功した。 また、ニッケル触媒存在下、デオキシリボースやアラビノース等の単糖類とイソプレン又はブタジエン等の共役ジエンをトリエチルホウ素と共に反応すると、糖類に対するホモアリル化反応が進行し、ビスホモアリルアルコールを含むポリオールを与えた。同条件下、一級アミン共存下で反応すると、系中で発生したN, O-アセタールに対するホモアリル化反応が進行し、ビスホモアリルアミンを有するポリオールを与えた。水を溶媒に用いても反応が進行することから、糖類の有機溶媒に対する溶解性に関わらず、糖類のホモアリル化反応が室温で速やかに進行することがわかった。反応はアルデヒドやケトンを用いた場合と同様に高い位置及び立体選択性を示し、生成物は高い1,3-ジアステレオ選択性を示した。 また、ジエチル亜鉛を促進剤に用いると、アミンとアルデヒドから直接調製したアルドイミンに対するホモアリル化が進行し、相当するビスホモアリルアミンを立体選択的に与えた。 このように、有機ホウ素、亜鉛を促進剤として用いることにより、水存在下でも糖、アルドイミン、N,O-アセタールに対するホモアリル化反応が高選択的に進行することを発見した。本反応はポリオールやアミノアルコールを活性部位にもつ種々の生理活性物質合成の効率合成法として今後期待できる。
|