2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16750088
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
坂本 康治 独立行政法人理化学研究所, 侯有機金属化学研究室, 先任研究員 (60280723)
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Keywords | スフィンゴ脂質 / スフィンゴ糖脂質 / oceanapiside / メタセシス |
Research Abstract |
本研究は、最近になって初めて単離された双頭型スフィンゴ脂質および双頭型スフィンゴ糖脂質の合成法を確立し、それを基盤として種々の双頭型スフィンゴ(糖)脂質を合成し、その化学的・生化学的機能を明らかにすることを目的としている。そこでまず本年度は、海綿から単離された天然物であるoceanapisideの全合成を行い、未知であるその絶対立体配置を確定することを計画した。 双頭型スフィンゴ(糖)脂質の極性基には2-amino-1,3-diol構造と2-amino-3-ol構造の2種類がある。まず、9-decen-1-olを出発原料として酸化・Wittig反応・還元により2,11-dodecadien-1-olへ導いた後、Sharpless不斉エポキシ化・カーバメイト化・エポキシドの開環を伴うカーバメイトの環化反応により、2-amino-1,3-diol構造を立体選択的に構築することに成功した。 また、末端オレフィンをオゾン酸化によりアルデヒドとした後、3-butenyl基の1,2-付加・生じた2級水酸基の酸化により、13位ケトン基を構築した。以上により、oceanapisideの1位から14位までのセグメントの不斉合成に成功した。 一方、cyclododeceneを出発原料としてオゾン酸化・Wittig反応により12-tridecenalへ導いた後、Evans不斉アルドール反応・不斉補助基の除去・Curtius転位により、2-amino-3-ol構造を立体選択的に構築し、oceanapisideの15位から28位までのセグメントの不斉合成に成功した。 閉環メタセシスを用いた両セグメントの結合により、oceanapisideの全合成が達成できるものと期待される。
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