2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16750099
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 浩靖 大阪大学, 理学研究科, 助手 (00314352)
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Keywords | モノクローナル抗体 / 樹状超分子 / バイオセンサー / 金ナノ粒子 / 表面プラズモン共鳴法 / 酵素標識抗体測定法 / シグナル増幅 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では生体高分子「抗体」をビルディングブロックとして、これを放射状に集積・配向させた機能性超分子を合成し、バイオセンサーにおいてターゲットとなる化合物の検出シグナル強度を増幅させることを目的としている。異種抗体間の抗原-抗体反応を利用して非共有結合により巨大な抗体集積構造物を構築する。本年度は特に樹状超分子の中心骨格として金ナノ粒子(直径5〜10nm)を配置し、その表面にモノクローナル抗体を固定した「金属ナノ粒子-生体高分子ハイブリッド材料」の特性を研究した。調製した金-抗体ハイブリッドは元の金コロイドよりも5nm長波長側に吸収極大波長をもち、濃色効果が見られた。抗体と金コロイドの共存下では37℃保温前後で吸収スペクトルは変化せず、金コロイドが溶液中に安定かつ均一に分散されることがわかった。バイオセンサーのセンサーチップに抗体が結合する抗原決定基を固定した後に,抗体-金ナノ粒子の水溶液を添加したときの応答シグナル強度をモニターした。金-抗体ハイブリッドを用いたセンシングシステムでは抗体そのもののみを添加したときよりも14倍のシグナル強度が得られた。またマウスIgGを認識する二次抗体(アルカリホスファターゼ標識抗体)を固定した金ナノ粒子を用いると従来のELISE検出シグナル強度が4倍増幅された。抗体の集積化・超分子化、および金粒子とのハイブリッド化によりターゲット検出シグナル強度を増幅させることができた。なお、樹状超分子の分岐成分となる抗体の作製および部位特異的抗体修飾は今後の継続課題であり、合成でき次第、得られた超分子のバイオセンサーシグナル増幅能を評価する。
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