2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16750099
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 浩靖 大阪大学, 大学院理学研究科, 助手 (00314352)
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Keywords | モノクローナル抗体 / 超分子 / センシング / 樹状分子 / ポルフィリン / 遷移金属錯体 / エネルギー変換 / 発光 |
Research Abstract |
高い基質特異性と多様性を有するモノクローナル抗体を用いてセンシングおよびエネルギー変換を可能にする機能性材料を合成した。抗体と金属コロイドとを組み合わせたシステムではクリーンエネルギーである水素の発生を実現することに成功した。また、抗体樹状超分子を可視化するための新規水溶性高発光金属錯体を合成することができた。さらにモノクローナル抗体作製技術をもとに遷移金属錯体との組み合わせによる新規触媒実現に向けた基礎的知見を得ることができた。 1.ポルフィリン-抗体錯体と白金コロイドを用いた水素発生システムの構築 水溶性の合成ポルフィリンであるmeso-tetrakis(4-carboxy phenyl)porphyrin(TCCP)に強く結合するモノクローナル抗体を作製した。そのうちの一種、抗体2B6は電子ドナーであるTCPPの亜鉛錯体(ZnTCPP)と錯体を形成し、ZnTCPPから電子アクセプターであるmethyl viologen(MV^<2+>)への電子移動を促進し、安定なMV^<2+>のカチオンラジカル(MV^<+->)を生成することを見出した。さらにプロトンの還元触媒として白金コロイドを使用し、ポルフィリンへの光照射により生成した水素発生量をモニターした。その結果、抗体非存在下ではほとんど水素の発生が見られない条件下において、抗体存在下では顕著な水素発生が確認された。 2.新規水溶性高発光金属錯体の合成 樹状配位子を有する水溶性イリジウム錯体を合成した。この錯体はpH変化に伴い発光強度が顕著に異なることがわかった。pHに応答するとともに、添加する金属イオン種によってその発光特性が異なることから、新規センシング材料として活用できることがわかった。
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