2004 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ナノシートを用いた光駆動型論理演算素子の作製
Project/Area Number |
16750107
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松井 淳 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (50361184)
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Keywords | レドックス性高分子ナノシート / 光電流 / 論理演算素子 / 光誘起電子移動 |
Research Abstract |
本研究は高分子ナノシートフォトダイオードを集積化し、光入出力駆動型論理演算素子の作製を目的とする。本年度はレドックス性高分子ナノシートの作製とそれらを用いた光駆動型論理演算素子の作製を試みた。以下に本年度の研究実績を示す。 (1)レドックス性高分子ナノシートの作製 ルテニウム錯体、フェロセン誘導体を含有するレドックス性高分子ナノシート、p(DDA/Ru),p(DDA/Fc)の合成を行った。表面圧-面積等温線よりこれらレドックス性高分子ナノシートは水面上で安定な単分子膜を形成することが明らかとなり、Langmuir-Blodgett法を用いることにより基板に一層ずつ転写することが可能であった。また転写されたナノシートは電気化学的に活性であった。 (2)レドックス性高分子ナノシートのヘテロ積層による光電流制御 p(DDA/Ru)とp(DDA/Fc)をヘテロ積層しルテニウム錯体の励起にともなう光電流応答について検討を行った。電極よりp(DDA/Ru),p(DDA/Fc)の順序で積層した基板ではルテニウム錯体に励起に伴いanodicな光電流が、逆にp(DDA/Fc),p(DDA/Ru)と積層するとcathodicな光電流が観測され、積層順序により光電流の制御が可能なポリマーナノシートフォトダイオード(PNPD)の作製が可能である。 (3)レドックス性PNPDを用いた光駆動型AND回路の作製 (2)で作製したPNPDとすでに作製に成功しているアントラセンを光吸収層とするPNPDを組み合わせてルテニウム錯体とアントラセンの励起光を入力信号、得られる光電流を出力信号とする光駆動型AND回路の作製を行った。ルテニウム錯体、アントラセンをおのおの励起波長を照射する場合と比較し、両方照射した場合、光電流が2倍増加し閾値をもうけることによりこのPNPD積層体はAND論理として働くことが示された。
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