2006 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ナノシートを用いた光駆動型論理演算素子の作製
Project/Area Number |
16750107
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松井 淳 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (50361184)
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Keywords | レドックス性高分子ナノシート / 光電流 / 光誘起電子移動 / 分子フォトダイオード |
Research Abstract |
本年度は昨年度成功した擬固体型PNPDを応用し擬固体型のAND論理演算素子とEXOR論理演算素子の作製に関する研究を行った。 擬固体型AND論理演算素子の構築 ルテニウム錯体(Ru)とフェロセン(Fc)を有する高分子ナノシートを用い、ITO電極上に順次積層することでアノードPNPD電極とカソードPNPD電極を作製した。続いて1M NaClO_4と電子供与体または電子受容体をさらに光遮光剤を含むアガロースゲル(donor-gel, acceptor-gel)を作製した。これらをアノードPNPD電極/donor-gel/acceptor-gel/カソードPNPD電極の順に集積化しAND素子とした。この素子ではgel層が非透過性であるためそれぞれのPNPDを独立に駆動させることができる。そのため各々を選択的に励起した場合では一方の電極のPNPDにともなう光電流しか観測されないのに対し両方を同時に励起するとそれぞれのPNPDに伴う光電流が観測される。そのためどちらの電極を励起するかを入力信号、またその際に観測される電流を出力信号とするとonとoffの値が2倍離れた光駆動型AND論理素子として用いることができる。 擬固体型EXOR論理演算素子の構築 アノードPNPDを二つ作製し、これらの電極で1M NaClO_4,TEOA,1wt%グラファイトを加えたdonor-gelを挟み込み擬固体型EXOR素子とした。電極一方のみを励起した場合は3.5nAもしくは-3.5nAの光電流が観測されたのに対し同時に励起した場合の光電流値がほとんど観測されなかった。これはそれぞれの電流方向が逆方向であるために、電流が相殺されたためである。そのため電極を励起するかを入力信号、またその際に観測される電流を出力信号とする光駆動型EXOR論理素子として用いることができる。
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Research Products
(1 results)