2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロカプセル及び高分子ミセルを用いたキラル高分子ナノ凝集体の創製、構造と機能
Project/Area Number |
16750109
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
寺尾 憲 群馬大学, 工学部, 助手 (60334132)
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Keywords | 高分子ミセル / マイクロカプセル / キラル / 凝集体 / 円二色性 / 微小反応場 / ポリシラン / ポリイソシアナート |
Research Abstract |
光学活性ポリシランの微小凝集体の光学物性について調べるため、ポリエチレングリコールをグラフトしたポリウレア-ウレタンマイクロカプセルに封入したものを調製した。得られたカプセルの内部の溶媒を沈殿剤或いは会合性溶媒と置換して凝集数が制御された光学活性ポリシラン凝集体を得た。ポリシラン試料としては溶液中の円二色性の強度が温度に比較的強く依存するポリ((S)-3-メチルペンチルシラン)(PH3MPS)と円二色性強度が0℃付近で反転するポリ(3,5-ジメチル(S)-3-メチルペンチルシラン)(PRS)を用い、内部ポリシランの濃度とカプセルのサイズともに数種類の異なるものを調製した。得たマイクロカプセルの円二色性測定を温度履歴実験や温度ジャンプ実験のようなさまざまな温度条件で実験を行った。種々の濃度、サイズで行った実験からは同様の温度及び温度履歴依存性がみられた。またテトラヒドロフラン中における円二色性強度の温度依存性には明確なヒステリシスが見られた。これは溶液中に完全分散した光学活性ポリシランには見られなかった現象である。従ってこれは凝集体の形成、再溶解によるものと考えられる。特に溶媒交換で形成された凝集体と温度変化で調製された凝集体からの円二色性の強度が大きく異なるなど非常に興味深い挙動が観測された。また、THF中に分散させた状態から0℃付近に急冷する温度ジャンプの実験から円二色性が徐冷によって得られた凝集体よりもかなり大きくなることがわかった。
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