2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しい分子設計概念に基づく刺激応答性シクロデキストリンホスト分子の開発
Project/Area Number |
16750120
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木田 敏之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (20234297)
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Keywords | シクロデキストリン / 刺激応答性 / 骨格挿入 / スペーサー / ジスルフィド / 包接能 |
Research Abstract |
外部刺激によるゲスト包接能の高度制御が可能なシクロデキストリンホスト分子の開発を目的として、シクロデキストリン(CD)の環骨格にピリジン環あるいはジスルフィドユニットを挿入したホスト分子を設計し、それらの合成を行った。ピリジン挿入CDでは、ピリジン環窒素原子のプロトン化と脱プロトン化を利用してpHによるゲスト包接の制御が可能であり、また、ジスルフィド挿入CDの場合は、酸化還元によるジスルフィド-ジチオール間の相互変換によりCD環の開閉が可能となり、ゲスト包接能の完全なon-off制御に繋がると期待できる。まず、ピリジン挿入CDの合成は、完全メチル化α-CDあるいはβ-CDのグルコシド結合の一点開裂による直鎖オリゴ糖誘導体の合成、続いてそれらの2つの遊離水酸基と2,6-ピリジンジカルボニルジクロライドあるいは2,6-ピリジンジメチレンジクロライドとの間でのジエステルあるいはジエーテル形成に基づく環化反応により行った。得られた生成物は、スペーサーと結合する末端糖の1位炭素上の立体配置が異なる2種の異性体(α-体とβ-体)の混合物から成り、シリカゲルカラムクロマトグラフィー続いて逆相カラムクロマトグラフィーを行うことによりこれらを分離することができた。次に、ジスルフィド挿入CDは、完全メチル化α-CDあるいはβ-CDのグルコシド結合の一点開裂により得られる直鎖オリゴ糖誘導体から4段階の反応を経て合成した。直鎖オリゴ糖誘導体の2つの遊離水酸基をメタンスルホン酸エステル化後、アジドアニオンとの反応によりアジド基を両末端にもつオリゴ糖誘導体を得た。アジド基をアミノ基へ還元後、ジチオニコチノイルクロリドとの反応により分子内環化させて、目的とするジスルフィド挿入CDを合成した。合成したホスト分子の構造は、^1H NMR,^<13>C NMR, MALDI-TOF Mass, IRスペクトルにより確認した。
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Research Products
(1 results)