2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境・エネルギー問題を見据えた機能性ナノ細孔触媒の創成
Project/Area Number |
16750126
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
加藤 知香 神奈川大学, 理学部, 助手 (00360214)
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Keywords | カルボン酸金属錯体 / ナノ細孔 / 酸化触媒 / 気体吸蔵特性 / 分子状酸素 / ポルフィリン / ルテニウム |
Research Abstract |
本研究では、新規なナノ細孔を有するポルフィリンカルボン酸ルテニウム(II,III)錯体,Ru^<II,III>[H_2TCPP]BF_4(1)を合成し、FT-IR、DR-UV-vis、TG/DTA、粉末X線回折、元素分析、ESR、表面積・細孔分布測定等でその構造および組成を確認した。その結果、錯体1は5Å程度の均一なミクロ細孔を構築しており、熱的に極めて安定であることが分かった。この錯体1を固体触媒として用い、1気圧酸素もしくは空気を酸化剤とした種々のアルコールの酸化反応を行った。その結果、錯体1は反応温度25℃という低温であっても、ベンジルアルコール、1-オクタノール、シクロヘキサノール、2-プロパノール、1-プロパノール等の酸化に対して高い触媒活性・選択性を示すことが分かった。特に、直鎖の飽和一級アルコールの酸化に対して、これまでに報告のない優れた活性を示した。さらに、酸素雰囲気下での錯体1のESRスペクトルを測定すると、g値が2.03のところにルテニウム-酸素ラジカル種による新たなシグナルを観測した。錯体1の酸素による等温吸着曲線から、錯体1の二核ルテニウムサイトは、他のナノ細孔をもつカルボン酸金属錯体には見られない特異な酸素親和性を有していることが明らかとなっており、この特異な酸素親和性が酸化活性種であるルテニウム-酸素ラジカル種の生成を促進していると推察した。さらに、反応後の触媒を回収してもう一度酸化反応を行っても、活性低下が見られなかったことから、錯体1は再利用可能であることが分かった。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Room-temperature oxidation of alcohols with 1 atm dioxygen and air catalyzed by a novel three dimensional microporous ruthenium(II,III)-4,4',4''4'''-(21H,23H-porphine-5.10,15,20-tetrayl)-tetrakisbenzoate tetrafluoroborate2006
Author(s)
加藤知香, 小野壮登, 日野智成, 大村哲賜, 森和亮
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Journal Title
Catalysis Communications (印刷中)
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