2004 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素中でのバイオプロセスの新展開:環境調和型デラセミ化反応の開発
Project/Area Number |
16750135
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 知子 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 講師 (10319494)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / アルコール脱水素酵素 / 光学活性アルコール / グリーンケミストリー / デラセミ化 / 生体触媒 / Geotrichum candidum / 不斉合成 |
Research Abstract |
環境に負荷がかからない光学活性体の効率的合成法の開発は、持続的社会を構築するために、重要な課題である。そのため、本研究では、ラセミ体のアルコールから光学活性なアルコールを合成するために、効率的で環境にやさしい方法の開発を目的としている。私達は、これまでに、超臨界CO_2中でのアルコール脱水素酵素によるケトンの不斉還元反応や、リパーゼによる立体選択的アセチル化反応に成功している。しかし、これらの反応にも欠点がある。不斉還元反応においては、ケトンを出発原料とし、その合成がアルコールよりも困難な場合もある。また、リパーゼの反応においては、不斉収率100%で生成物を得るには、化学収率は50%が最高となる。そこで、本研究では、ラセミ体アルコールを化学収率100%で光学活性アルコールに変換するために、生体触媒によるデラセミ化を検討した。生体触媒としては、チチカビ(Geotrichum candidum IFO 5767)を用いる検討を行った。最初に、脂肪族アルコールや1-phenylethanol誘導体等の二級アルコールのデラセミ化反応を水中において検討した。休止菌体および乾燥菌体を用いたところ、休止菌体の方が得られたアルコールの不斉収率は高かった。また、超臨界CO_2中における反応の検討も行った。このことにより、有機溶媒を使わずに、有用物質である光学活性体を効率的に合成でき、グリーンケミストリーを発展させることができた。
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Research Products
(7 results)