2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16750137
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
越田 周平 北海道大学, 大学院・理学研究科, 寄附講座教員 (70372266)
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Keywords | 糖鎖 / 無保護オリゴ糖 / 集合化 / オキシルアミノ基 / クラスター効果 |
Research Abstract |
糖鎖においては、複数の糖鎖が集合化することで強い生物活性を示すという、いわゆる(糖鎖)クラスター効果がしばしば観測される。このクラスター効果を効率よく研究するための、糖鎖集合体の効率的合成法の確立を目的として研究を行なっている。方法論としては、糖の1位アノマー位と特異的に反応する官能基を末端に有するリンカー化合物を設計・合成し、このリンカー化合物と無保護オリゴ糖を反応させることで、1段階(もしくは短工程)で構造明確な糖鎖集合体を効率良く得るというものである。 本年度は、糖の1位アノマー位と反応する官能基としてオキシルアミノ基を選択し、まずこの官能基と糖との反応性の評価ならびに反応条件の最適化を行なった。反応を定量的に評価するために、HPLCを用いて反応を追跡することとした。そのために、UV吸収を有するモデル化合物として、オキシルアミノ基を1つ有するフェニルアラニン誘導体を2種類、化学合成した。 このモデル化合物を用いて、各種条件を変更し、反応をHPLCにて追跡した。その結果、1.メタノール等の有機溶媒の添加により反応は促進される、2.試薬濃度が高いほど反応が促進される、3.pHは4程度が最適である、4.反応温度を上げると、反応は速くなるが収率は向上しない、などの定量的なデータを得た。これらの結果から至適な反応条件を見出すことに成功した。また、これ以外にも5.N-メチル化したオキシルアミノ基を用いると、反応性が低くなる、6.糖の種類によって反応性が異なる、などのデータの収集も行なった。 これらの結果を踏まえて、オキシルアミノ基を2つ有するリンカー化合物も設計・合成した。現在、この化合物を用いて無保護オリゴ糖の集合化について検討を行なっている。
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