2005 Fiscal Year Annual Research Report
先進的ポストゲノム基盤技術開発に向けた機能性人工核酸の創製
Project/Area Number |
16750145
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小比賀 聡 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80243252)
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Keywords | DNA / BNA / 三重鎖核酸 / 転写制御 / 遺伝子発現制御 / 転写因子 / オリゴヌクレオチド / 人工核酸 |
Research Abstract |
遺伝子発現を活性化する人工オリゴヌクレオチド類の創製 既に申請者らは目的の配列を有する二重鎖DNAと強固に結合可能な新規核酸類縁体核酸分子(BNA)の合成に成功している。細胞内での任意の遺伝子の発現を抑制するばかりでなく活性化させるための手法を新たに開拓するために、強固な三重鎖形成能を有するBNAに各種の転写活性化因子をリクルートするための機能性を付与した分子の合成を行なった。まず、三重鎖を形成するオリゴヌクレオチド部分(TFO部分)にBNAを一残基おきに導入することで標的遺伝子DNAとの三重鎖の安定性を高めた。さらに、このTFO部分からさらにオリゴヌクレオチド配列を40塩基ほど伸長させた。この領域は自己相補的な配列に設計しており、ステムループ構造を形成させている。このステムループ部分の配列を選択することで、TFOによる遺伝子発現制御効果がどのように変化するか詳細に検討した。その結果、TFOのみの場合に比べてステムループ部分が存在することで劇的な遺伝子発現抑制が見られることがわかった。これは、付加したステムループ部分が立体障害となって転写因子の接近を効果的に阻害したためであると考えられる。一方、このステムループ部分に転写因子が結合する配列を持たせた場合には、このような遺伝子発現抑制効果は見られず、逆に発現促進に働いているという非常に興味深い結果を得た。これは、当初の設計通り、標的遺伝子近傍に目的の転写因子をリクルートすることができたためであると考えられる。この結果の一般性を検証することで、従来にはなかった新たなゲノムテクノロジーへとつながることが期待できる。
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Research Products
(6 results)