2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体触媒によるホルムアルデヒドの酸化還元除去と酸化還元合成
Project/Area Number |
16750149
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
山村 晃 神奈川工科大学, 工学部, 講師 (10343641)
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Keywords | ホルムアルデヒドオキシダーゼ / N末端アミノ酸配列 / 基質特異性 / ギ酸オキシダーゼ / スクリーニング / Penicillium sp. / cDNAクローニング / 定量分析 |
Research Abstract |
土壌微生物からホルムアルデヒドを唯一の炭素源として,ホルムアルデヒド資化微生物を単離し,高いホルムアルデヒドオキシダーゼ産生能を有するTrichoderma sp.KAIT-M-124株を単離した。本菌株を0.1%パラホルムアルデヒド含有寒天平板培地で前培養し,0.1%パラホルムアルデヒド含有液体培地で4日間培養した。集菌した菌体から,培地400mlあたりホルムアルデヒドオキシダーゼ1.5Uの粗酵素が得られ,粗酵素をDEAE-SepharoseとPhenyl-SepharoseおよびSephacryl S-300により,ほぼ単一タンパク質にまで精製できた。この精製酵素から決定したN末端アミノ酸配列は,Gln-Asn-Asn-Gly-Asp-Asp-Phe-Met-Phe-Ile-Val-Val-Gly-Glyであり,このアミノ酸配列からDNAミックスプライマーを設計し,cDNAライブラリーから,ホルムアルデヒドオキシダーゼ遺伝子を増幅することができた。 また,土壌微生物からギ酸を唯一の炭素源として,ギ酸資化微生物を単離し,ギ酸オキシダーゼ産生能の高いPenicillium sp.KAIT-M-138株を単離した。培養1週間で培地300mlあたりギ酸オキシダーゼ4U,比活性0.5U/mgの粗酵素を得ることができた。粗酵素は,ギ酸に対して反応性を有するが,他の酸およびアルデヒド,アルコールに対して反応性を示さず,非常に高い基質特異性を示した。 本研究にて得られた2つの酵素は,ともに基質特異性が高く,溶液中のホルムアルデヒドとギ酸を定量分析するのに適した酵素である。また,2つの酵素を用いることで,溶液中のホルムアルデヒドおよびギ酸を二酸化炭素にまで,溶液中の溶存酸素を用いて酸化することで,無毒化できることが明らかになった。
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