2004 Fiscal Year Annual Research Report
色素増感太陽電池の高性能対電極材料の開発〜フラーレン誘導体を活用したアプローチ〜
Project/Area Number |
16750153
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
日野 哲男 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50361275)
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Keywords | フラーレン / 太陽電池 / 色素増感太陽電池 / ナノカーボン / ミセル崩壊法 / 薄膜 / 対電極 / カーボンクラスター |
Research Abstract |
近年,地球環境に負荷を与えない,経済的で高性能なクリーンエネルギー生産技術の開発・改良が精力的に行われている。色素増感太陽電池は,その中でも特に注目されているものの1つであり,その比較的高い光電変換効率(10%)に加え,従来用いられている半導体型太陽電池に比べ材料が安価で,また製作に大掛かりな設備を必要としない等の利点を有していることから,国内外で実用化に向けた様々な研究がなされている。しかしながら,それらの研究のほとんどは,色素(光増感)部分や電解液部分の開発・改良が『主』であり,対電極材料開発に関する研究は,意外にもほとんどなされていない。一般に,対電極部分には,白金を蒸着した導電性ガラス(ITO)電極が用いられているが,白金の代わる有機材料を開発することができれば,簡便な塗布および低温処理行程による対電極作成が可能となり,より低コストでセルが開発できるものと期待される。 本研究では,新規高性能対電極材料の開発に向け,近年大きな着目を集めているフラーレン類などのカーボンクラスターを利用した研究を行った。これらは,その全π共役構造に起因する特異な性質に加え,数年後には数十円/gまで価格が低下すると予測されていることなどから急速にその応用分野が広がっている。ナノカーボン類(C_<60>、CNTなど)を用い、対電極材料としての利用可能性について検討した結果,電極作成方法として界面活性フェロセン(Fe-PEG)を使った"ミセル崩壊法^1"を用いることでナノカーボン類の薄膜電極を可能にした。この際膜厚を変えることで高い効率が得られることなどが明らかとなった。
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