2004 Fiscal Year Annual Research Report
スルホン酸エステル部位を有する水除去可能な新規光架橋・硬化系の構築
Project/Area Number |
16750166
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岡村 晴之 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (10316010)
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Keywords | スルホン酸エステル / 光架橋 / 熱架橋 / 溶解 / 水 / エポキシ基 / 熱分解 / スルホン酸 |
Research Abstract |
使用後除去が可能な再可溶化型架橋系の構築を目的とし、熱分解ユニットとしてスルホン酸エステル部位を有する新規エポキシ架橋剤を開発した。この架橋剤を含むブレンドフィルムの不溶化挙動を検討した。ベースポリマーおよび架橋剤をシクロヘキサンに溶解し、溶液をシリコン板にスピンコートすることによりフィルムを作成した。合成した架橋剤は157〜183℃で熱分解し、対応するスルホン酸を生成した。ベースポリマー/架橋剤ブレンドフィルムは80℃以上の加熱により不溶化した。不溶化率は120℃までの加熱により増加した。不溶化挙動は架橋剤の構造には大きく依存しなかった。不溶化は架橋剤の熱分解によって生じる微量の酸によるエポキシ基の開環を伴った架橋反応のためであると考えられる。ベースポリマーとして、ポリビニルフェノール,ポリ(メタクリル酸エチル-メタクリル酸)共重合体、および熱分解型エポキシポリマーを用いたとき、120℃以上の加熱において不溶化率の減少が観察されたものの、完全に溶解するにはいたらなかった。本系において、分解生成物であるスルホン酸とフェノール性水酸基あるいはカルボキシル基との副反応が示唆された。一方、ベースポリマーとしてスルホン酸エステル含有エポキシポリマーを用いたとき、180℃、5分の加熱によりTHFまたはメタノールに完全に溶解した。異なるスルホン酸エステル含有新規エポキシ架橋剤をブレンドすることにより生成したフィルムにおいても、160℃あるいは180℃の加熱により水に完全に溶解した。これらの加熱温度において、ベースポリマーもしくは架橋剤が熱分解し、スルホン酸を生成していることが確認された。このことから、加熱によって完全に溶解させるには、ベースポリマーの選択が重要であることがわかった。
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Research Products
(3 results)