2005 Fiscal Year Annual Research Report
スルホン酸エステル部位を有する水除去可能な新規光架橋・硬化系の構築
Project/Area Number |
16750166
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岡村 晴之 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (10316010)
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Keywords | 感光性樹脂 / 水 / 溶解 / 有機工業化学 / 環境対応 / スルホン酸エステル / オキセタン / 光カチオン重合 |
Research Abstract |
光架橋部位としてエポキシ基を有するポリマーと光酸発生剤を組み合わせた系においては、光誘起開環カチオン重合を利用して光架橋反応を行っている。しかしながらその反応性は改善の余地がある。そこで我々は、エポキシ-オキセタンハイブリッド系の高いカチオン反応性に着目し、オキセタン部位を側鎖に有するスルホン酸エステル部位含有ポリマーを合成し、その光架橋挙動、熱分解挙動、熱分解後のポリマーの水への溶解性について検討した。p-スチレンスルホン酸3-エチル-オキセタン-3-イルメチルエステル(EOMSS)と熱分解型エポキシモノマーMOBHをラジカル共重合し、ポリマーを合成した。合成したポリマーの熱重量分析を行い、熱分解開始温度は約230℃であった。これは今まで合成されたスルホン酸エステル含有ポリマーの熱分解開始温度よりも高い。嵩だかいオキセタニルエチル基がポリマーの熱安定性を向上させている。光酸発生剤を含むポリマーフィルムは254nm光照射後、60℃〜160℃の加熱でテトラヒドロフランに不溶化した。不溶化したEOMSSホモオリゴマーとEOMSS-MOBHコオリゴマーは220℃以上の加熱で水に溶解した。水への可溶化は、加熱によって熱分解部位であるスチレンスルホン酸エステル基とカルボン酸エステル基が分解し、架橋構造が崩壊したためであると考えた。不溶化および可溶化挙動は光酸発生剤の種類およびポリマーの分子量に強く依存した。
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Research Products
(3 results)