2004 Fiscal Year Annual Research Report
層状結晶を利用する多機能ミクロ多孔体の合成とナノ空間の修飾
Project/Area Number |
16750169
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山口 朋浩 信州大学, 工学部, 助手 (30283237)
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Keywords | 膨潤性フッ素雲母 / アルミナ架橋フッ素雲母 / 多核ヒドロキソアルミニウム錯体 / 層間挿入反応 / ミクロ孔 / ナノ空間 / イオン交換能 |
Research Abstract |
Na型膨潤性フッ素雲母をホスト結晶として用い,金属アルミニウム溶解法で調製した多核ヒドロキソアルミニウム錯体(PHA)水溶液との反応により,陽イオン交換能を有するミクロ多孔体であるアルミナ架橋フッ素雲母を合成すること,およびそのイオン交換能を利用してナノ空間を修飾した複合体を合成することを目的とし,以下の知見を得た. ホスト結晶として,溶融法で作製したNa型フッ素四ケイ素雲母(NaMg_<2.5>Si_4O_<10>F_2)を選定し,金属アルミニウム溶解法により調製した高濃度・高重合度のPHA溶液との反応(層間挿入反応)により得られたPHA-フッ素雲母複合体を加熱処理することにより,ナノスケールの細孔を有するミクロ多孔性アルミナ架橋フッ素雲母を合成した.また,PHA溶液との反応時に有機陽イオン(アルキルアンモニウムイオン)を共存させることにより,生成するミクロ多孔性アルミナ架橋フッ素雲母の比表面積および細孔容積が変化し,共存有機イオン量を最適化することでアルミナ架橋フッ素雲母の比表面積および細孔容積を増大できることを明らかにするとともに,第一級アンモニウムイオンを用いた場合,第四級アンモニウムイオンを用いた場合よりも幅広い条件下で比表面積および細孔容積の大きいアルミナ架橋体が得られることを示した.層間ピラー収容量の測定値から,細孔容積の増大は層間のナノ空間の拡大によると判断した.このような手法によるナノ空間の拡大は,アルミナ架橋フッ素雲母のイオン交換容量の増大およびこれを利用した修飾に有利であると判断される.なお,生成したアルミナ架橋フッ素雲母をアルカリ処理することによりイオン交換容量を増大できることも見出しつつある.
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