2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16750182
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
武野 宏之 群馬大学, 工学部, 助手 (70302453)
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Keywords | 非相溶 / 高分子ブレンド / 高圧 / ガラス転移温度 |
Research Abstract |
常圧下で非相溶な3種類の高分子ブレンド、(1)ポリスチレン/ポリメチルアクリレート、(2)ポリ2-クロロスチレン/ポリイソブチルメタクリレート、(3)ポリビニルフェニルケトン/ポリシクロヘキシルアクリレートブレンドに対して、0.6〜1.2GPaまでの高圧実験をおこなった。高圧下で温度を上げて試料を混合させ、その後ガラス転移温度(T_g)以下まで冷却することにより構造凍結させた試料の混合状態を示差走査熱量測定および光学顕微鏡を用いて調べた。(1)の試料に対して、0.9〜1.2GPaの圧力を印加すると、両相のT_gが圧力実験の試行回数と共に近付くことが観測された。この結果は、高圧下でこのブレンドがまだ完全に相溶した状態には至っていないものの、相溶する方向に向かっていることを示す。また、この圧力によるT_gの変化度はT_gの低い相であるポリメチルアクリレート濃度が高い相の方が極めて大きかった。また、圧力実験後の光学顕微鏡写真は圧力の試行回数とともに各相の濃度コントラストが小さくなっていることが観察され、上記のT_gの結果と一致する。しかしながら、圧力印加後の構造の大きさは圧力印加前のそれと比べて若干増大しており、本実験で行った実験条件では少なくとも一部非相溶領域を通過していることが予測される。(2)、(3)の試料に対しては、高温、高圧条件下で一部試料の分解が見られたものの、圧力実験後両相のT_gが近付くという(1)の試料と同様の結果が得られた。これらの結果は、常圧下で非相溶な高分子ブレンドが高圧下で混合する傾向にあるという現象が普遍的であることを示唆する。
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Research Products
(1 results)