2004 Fiscal Year Annual Research Report
多糖誘導体/ポリラクチド系生分解性ポリマーブレンドの作製と特性評価
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16750191
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
宮下 美晴 茨城工業高等専門学校, 物質工学科, 講師 (00293259)
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Keywords | 生分解性ポリマー / セルロース誘導体 / ポリ乳酸 / グラフト共重合 / 塩化リチウム / モル置換度 / ポリマーブレンド |
Research Abstract |
本研究では、多糖類をオリゴ乳酸鎖で化学修飾した新規多糖誘導体を合成し、これとポリ乳酸との相溶化をはかって、新規な生分解性ポリマーブレンドを創製することを目的としている。今年度中に得られた主な知見は以下の通りである。 幹ポリマーとなるセルロースのヒドロキシアルキルエーテル誘導体をN,N-ジメチルアセトアミドに溶解し、グラフト鎖の原料となるL-ラクチド、および、触媒となる塩化リチウムを加え、窒素雰囲気下で125℃に加熱しながら攪拌して、グラフト化反応を試みた。L-ラクチドに対して1wt%以上の塩化リチウムを触媒として用い、かつ、セルロースのヒドロキシアルキルエーテル誘導体の繰り返し単位に対し約5倍以上のL-ラクチドを加える、という条件の下で、反応が進行し生成物が得られた。得られた生成物について、NMR、FT-IR、およびGPCによるキャラクタリゼーションを行い、オリゴ乳酸鎖(モル置換度が2から4程度)がグラフト化された新規多糖誘導体(オリゴ乳酸-graft-多糖)が合成されていることを確認した。 また、現在、共通溶媒を用いた均一ポリマー混合溶液からのキャスト法を利用して、オリゴ乳酸-graft-多糖とポリ乳酸からなるブレンド試料を作製している。得られたブレンドについては、DSC熱分析、FT-IR測定、および偏光顕微鏡観察などにより、相溶性、相構造、成分間相互作用を詳細に調べる。 上記に加え、本研究をセルロースエステルを幹ポリマーとするグラフト化多糖の分子複合系へ展開するための準備として、いくつかのセルロースエステルと合成ポリマーとのブレンドを作製し、その相溶性や分子間相互作用について評価検討した。
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