CZ酸化物単結晶固液界面形状の非軸対称性に及ぼす結晶・融液内輻射伝熱の影響

2004 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16760004
• Research Institution: Hachinohe Institute of Technology
• Principal Investigator: 小林 正樹 八戸工業大学, 工学部, 講師 (90312678)
• Keywords: CZ法 / 酸化物単結晶 / 熱合熱解析 / 3次元解析 / 内部輻射電熱 / チョクラルスキー法

Research Abstract

本研究は、CZ酸化物単結晶育成プロセスに関し、結晶・融液内輻射伝熱を厳密に評価可能な3次元非定常熱流動解析コードを開発し、固液界面形状の非軸対称性に及ぼす結晶・融液の吸収係数の影響を解明することを目的としている。本年度の成果を以下に述べる。
我々は既に,CZ炉の2次元軸対称定常総合熱解析(炉内構成要素を全て含んだ解析)コードにおいて結晶内での輻射伝熱を考慮可能なものを開発済みであり,また,融液部のみを対象とした3次元非定常熱流動解析コードを開発済みであった。本来ならば,総合熱解析を3次元化することが厳密さの面からは最も望ましいが,計算負荷の観点から困難である。そこで,前述の既に開発済みである軸対称定常総合熱解析と融液内3次元非定常解析を組み合わせることにより、3次元非定常融液内対流を考慮した効率的な総合熱解析モデルの構築を試みた。これはすなわち,独立した解析コードである両者のインターフェイスを構築することである。
1.総合熱解析に先立ち、融液/結晶界面,及び融液自由表面が変形した場合の融液内三次元非定常解析の妥当性を検討した。その結果,両形状が変形している場合にも変形していない場合と同様に,融液自由表面上温度分布にWave patternが生成することが示された。
2.構築した総合熱解析の妥当性を検討するために、小規模炉を対象とした計算を行った。小規模炉の解析では三次元非定常解析でも軸対称定常の結果を示すと考えられる。その結果,2次元総合熱解析と、インターフェイスを通した解析で同様の結果が得られ,本解析の妥当性が確認できた。