2006 Fiscal Year Annual Research Report
CZ酸化物単結晶固液界面形状の非軸対称性に及ぼす結晶・融液内輻射伝熱の影響
Project/Area Number |
16760004
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 正樹 八戸工業大学, 工学部, 講師 (90312678)
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Keywords | CZ法 / 酸化物単結晶 / 総合熱解析 / 3次元数値解析 / 内部輻射伝熱 / チョクラルスキー法 / マランゴニ対流 / 熱流動解析 |
Research Abstract |
本研究は、CZ酸化物単結晶育成プロセスに関し、結晶・融液内輻射伝熱を厳密に評価可能な3次元非定常熱流動解析コードを開発し、固液界面形状の非軸対称性に及ぼす結晶・融液の吸収係数の影響を解明することを目的としている。研究期間における成果を以下に述べる。 結晶内での輻射伝熱を考慮可能な2次元軸対称定常総合熱解析(炉内構成要素を全て含んだ解析)と融液のみを対象とした3次元非定常解析を組み合わせることにより、3次元非定常融液内対流を考慮した効率的な総合熱解析モデルの構築を試みた。これは、総合熱解析を3次元化すべきであるところを、計算負荷の観点から融液部のみを3次元として扱ったものである。ここではすなわち,独立した解析コードである両者のインターフェイスを構築した。 1.解析コードの妥当性を検討するために、小規模炉を対象とした計算を行った。小規模炉の解析では三次元非定常解析でも軸対称定常の結果を示すと考えられる。その結果,2次元総合熱解析と、インターフェイスを通した解析で同様の結果が得られ,本解析の妥当性が確認できた。 2.統合したコードを用いて解析を行い、小規模炉を対象とした検討を行った。その結果,小規模炉においても結晶回転速度が高くなると融液自由表面上温度分布にwave patternが生成することがわかった。 3.融液自由表面上の温度勾配に起因するマランゴニ対流と融液内輻射伝熱の相関について知見を得るため、2次元軸対称定常総合熱解析による検討を行った。その結果、融液吸収係数が小さくなると融液自由表面上の温度勾配が小さくなりマランゴニ対流が抑制され、結晶回転に起因する強制対流が発達しやすくなり固液界面が反転しやすくなることがわかった。
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