2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760009
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
市川 結 信州大学, 繊維学部, 助手 (80324242)
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Keywords | 有機発光ダイオード / 有機EL / 電荷再結合 / 励起子 / 有機半導体単結晶 / 電子輸送材料 |
Research Abstract |
分子への電荷注入による励起子生成機構を解明し,高効率励起子生成のための分子設計指針を確立することにより、有機ELデバイス(有機発光ダイオードとも呼ばれる)の発光材料設計を既存材料のモディファイやトライアンドエラー等の経験的な手法から脱却させることが必要とされている。そのために,下記の3つの観点から研究を行った。 1.過渡EL波形計測による有機ELデバイスにおける励起子生成機構 優れた発光効率を有するスチリルベンゼン誘導体を発光層に用いた有機ELデバイスについて,過渡EL波形の計測を行った結果,通常の発光材料の場合とは異なり,電圧オフ時に高輝度のオーバーシュートパルス発光が観測された。印可電界によって分離したキャリアが発光層中に蓄積され,電圧オフ時に一気に再結合し,発光したものと考えられる。 2.有機半導体単結晶における電荷再結合励起状態形成の検討 有機材料においてもバンド型キャリア輸送が期待される有機半導体単結晶におけるキャリア再結合励起子生成過程の解明を目的に,有機半導体単結晶を用いた発光デバイスの作製について検討した。駆動電流密度の高い有機発光デバイスを作製することができた。今後,詳細なメカニズム解明が課題である。 3.高速電子輸送材料の開発 電子輸送能向上によるキャリバランス改善が発光効率に与える影響について検討するため,優れた電子輸送能を有する新規材料(ビピリジル基置換オキサジアゾール誘導体)を開発した。
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Research Products
(6 results)