2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760022
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川崎 忠寛 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10372533)
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Keywords | 貴金属触媒 / ナノ粒子 / 透過型電子顕微鏡 / その場観察 / 環境セル / 表面・界面 / 原子構造 / ガス導入 |
Research Abstract |
金やイリジウムといった貴金属はナノ・サイズの超微粒子にすることで、バルク状態とは異なる極めて高い触媒作用を示すことが知られている。その反応機構を解明するためには、触媒の表面・界面の原子構造を解析することが重要であり、これまでに位相差電子顕微鏡法を用いることで、表面の原子欠陥、界面の原子配列の乱れ、及びそれらに起因する結晶歪みの存在を明らかにしてきた。さらに、反応と構造の関係を詳細に調べるためには、反応している状態そのものを観察・解析することが不可欠である。そこで、超高圧電子顕微鏡の内部に、真空から隔離されたカプセル(環境セル)を組み込んだ実験システムを構築し、反応雰囲気中で触媒表面・界面の変化を直接かつ動的に解析することを目的に研究を進めている。本年度に行った研究の概要は以下の通りである。 (1)反応ガス導入機構を備えた1250kV超高圧電子顕微鏡用の環境型試料ホルダーの設計 触媒試料の周囲に反応ガスを循環することができる電子顕微鏡用試料ホルダーを、下記の3つの条件を満たすように構造を検討し、設計を行った。現在は作製の段階である。 ・原子レベルの分解能を実現するため、外乱(振動等)の影響を受けにくい構造にする。 ・改良を加えやすいように、全体をいくつかのパーツに容易に分解できる機構にする。 ・外部に設置する反応ガス導入出装置との接続が簡便にできるようにする。 (2)位相差電子顕微鏡法の改良 表面・界面の原子構造を詳細に調べるために、より高い空間分解能で位相情報が得られるように従来の方法を改良し、その検証を行った。
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Research Products
(5 results)