2004 Fiscal Year Annual Research Report
極低温磁場中原子間力顕微鏡法による鉄酸化膜の表面ナノ磁性に関する研究
Project/Area Number |
16760026
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内藤 賀公 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90362665)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 極低温 / 強磁場 / 鉄 |
Research Abstract |
本研究の目的は、原子間力顕微鏡法(AFM)を用いて磁性材料表面の構造を原子レベルで明らかにし、そこに発現する磁性と構造との関係を解明することにある。 今年度はAFM装置の高感度化とFe(110)試料表面の清浄化法を探る実験を行ってきた。まず、磁性材料(FeO(111))表面に働く微弱な交換相互作用力を検知し、その相互作用力マッピングを原子スケールで行うために力検出に使用する光検出回路(光干渉計)の高性能化を図った。これにより標準試料(Si(111)表面)のAFM観察像の分解能を向上させることに成功し、表面第一層原子(AFM探針との相互作用力が大きい)のみならず第二層原子(相互作用力が小さい)の同時観察が可能なほどの高感度化を実現した。次にFe(110)清浄表面の作成条件を最適化するために低速電子線回折装置(LEED)とオージェ電子分光(AES)装置をAFM真空チャンバーに導入した。これによって質の良いFe(110)表面を作成することができるようになり、現在走査型トンネル顕微鏡(STM)やAFMを用いて極低温環境下での試料表面の原子レベルでの観察を行っている。また、FeO(111)酸化膜を作成するための酸素ガスボンベ等の装置への設置はすでに終了しており、酸化膜作成条件の最適化を行いつつ、FeO(111)酸化膜表面を磁場のあるときとないときでAFM観察を行い、データの比較検討を行っている。
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