2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760027
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
大島 多美子 佐世保工業高等専門学校, 講師 (00370049)
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Keywords | パルスレーザ堆積(PLD)法 / 有機EL薄膜 / プラズマプルーム / 発光分光 / フォトルミネッセンス |
Research Abstract |
本研究では、パルスレーザ堆積(PLD)法を用いて、低分子及び高分子の有機EL(Alq_3、TPD、PVCz)薄膜の作製を行い、その構造・光学的特性測定から堆積パラメータが薄膜形成に及ぼす影響を調べることを目的とし、プラズマプルームの分光計測を加え詳細に調べた。また、大気圧下によるPLDプロセスを適用した有機EL薄膜形成のため装置構成の検討を試みた。 (1)低分子及び高分子有機EL薄膜の作製とその評価、分光計測 まず低分子有機EL薄膜において、Nd:YAGレーザの基本波および第2高調波を用いて作製したAlq_3、TPD薄膜のフォトルミネッセンス(PL)測定より、波長525nm、420nm付近を中心として、ターゲット材料に類似したピークが観測され、基本波において良質なPL特性が得られた。また、KrFエキシマレーザを用いた場合、光子エネルギーが大きくターゲット材の有機分子間結合を切断するため、堆積薄膜の構造・光学的特性はターゲットと異なる性質を示した。次に高分子有機EL薄膜では、Nd:YAGレーザの第2高調波によりモノマーNVCzターゲットを用いて作製したNVCz薄膜は、フルエンス300mJ/cm^2のとき、赤外吸収スペクトルにおいてスピンコート法によるPVCz薄膜と同様なピークが現れ、PLDプロセス適用の可能性を示唆した。プラズマプルームの分光計測では、ターゲットを構成している元素の原子及びイオン種による発光(C、N、O)に加え、C_2分子発光が確認できた。 (2)大気圧PLDプロセス装置改良 通常のPLDプロセスよりも高い圧力(数Torr)下で有機EL薄膜の作製を試みたが、気圧とフルエンス、またターゲット耐力の間で高品質な有機EL薄膜作製が困難であった。これは各部の位置関係など設計を改良することで改善できると考えられ、今後、X-Yステージによる基板の面内スキャン操作を行う装置を製作する。
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