2004 Fiscal Year Annual Research Report
電子顕微鏡による貴金属微粒子担持触媒の酸化・還元状態に関する研究
Project/Area Number |
16760029
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
秋田 知樹 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 研究員 (80356344)
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Keywords | 電子顕微鏡 / 触媒 / 金微粒子 / 酸化セリウム / イリジウム / 酸化 / 還元 / 電子線照射 |
Research Abstract |
酸化・還元にともなう金属酸化物に担持した貴金属微粒子の構造変化を観察するために、モデル触媒として金微粒子を担持した酸化セリウムについて観察を行った。酸化セリウムの担体には粉末から1400-1600℃で焼結した多結晶酸化セリウムをTEM試料として薄片化した基板を使用した。金微粒子は真空蒸着により担持した。酸化処理は大気中で焼成炉を用いて行った。還元処理はアルゴン希釈した20%の水素を用いた。水素還元処理に関しては白金やロジウムでは高温での還元により、セリウム原子が金属微粒子を覆うことが報告されているが、金微粒子の場合、250-450℃までの還元処理ではセリウムが表面を覆う現象は確認できなかった。また、電子顕微鏡試料室内での電子線による還元では酸化セリウムの還元による結晶構造の変化を観察した。酸素欠陥は結晶内に周期的に生じる事がわかった。この欠陥構造は1気圧の大気中に曝すと修復されることがわかり、電子顕微鏡内の真空度(10^<-5>Pa)で放置するだけで、徐々に酸素を吸収することが、電子線回折と電子エネルギー損失分光(EELS)により明らかになった。また金微粒子は電子線照射により溶解するが、酸化処理により金微粒子として再分散されることがわかった。また、電子顕微鏡試料室内と様々なガス雰囲気下で予備排気室での試料加熱を行うために)市販の試料加熱ホルダーを改造した。200-600℃での加熱を行うために、抵抗加熱したモリブテン薄膜をヒータとした。Ir/CeO_2粉末触媒を試料に用い、電子顕微鏡内での加熱処理を試みた。その結果、イリジウム酸化物の凝集物が、還元され、縮小している様子を確認できた。
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