2004 Fiscal Year Annual Research Report
ピコメーター膜厚検出感度を持つ成膜モニターの開発と水の窓軟X線多層膜反射鏡の作製
Project/Area Number |
16760030
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
津留 俊英 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (30306526)
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Keywords | 多層膜 / 軟X線 / エリプソメーター / 成膜モニター / ピコメーター |
Research Abstract |
本研究では、ナノメートル周期膜厚を精密に所定の膜厚に制御するために、成膜過程をピコメートル膜厚感度でその場計測できる成膜モニターを開発することが目的である。 本年度は、高速・高精度な成膜レートモニターを実用化するために、ハードウエアと制御ソフトウエア作製に集中した。具体的には、角度分解能0.001°の電動回転ステージを3台備品購入し、2台に消光比<10^<-6>のグラントムソンプリズムを組み込み偏光子P・検光子A駆動ユニットに、1台にλ/4板を組み込み位相子C駆動ユニットとした。ステージマウントは自作した。これらをステージコントローラー(備品購入)と接続し、コントローラーはPCとGP-IB接続した。さらに、ファラデー変調駆動用アンプを自作し、現有の発振器と接続し変調ユニットとした。 2位相ロックインアンプからの誤差信号を偏差とし、偏光子・検光子駆動ユニットへフィードバックし消光位置を追従するための制御ソフトウエアを作製した。作製したソフトウエアはハードウエア制御のほか、1)複素平面上に成長曲線をシミュレーションすることが可能、2)計測点ごとに検出角度から複素振幅反射率比を計算し複素平面上に描画する、という2つの機能を持つものとした。これらの機能によって成膜状況を直感的に把握することが可能となった。現在、光学ユニットの調整を終え、成膜モニターとしてイオンビームスパッタリング成膜装置に組み込み制御ソフトウエアの動作検証を開始した。ハードウエアとソフトウエアの作製状況はほぼ当初の予定通りに進んでいる。 VUV国際会議などで成果発表を行った。
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