2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760031
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
津村 徳道 千葉大学, 工学部, 助教授 (00272344)
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Keywords | 肌 / 色素 / メラニン / ヘモグロビン / 光散乱 |
Research Abstract |
人間の肌色は主に,表皮におけるメラニン色素,真皮におけるヘモグロビン色素で構成されている.これまでに,本研究者は,独立成分分析を用いて,肌画像からメラニン色素成分分布,ヘモグロビン色素分布を分離抽出する技術を考案した.これにより,抽出された成分分布を画像処理により変化させ,再び合成することにより様々な見えの顔画像を合成することができた.さらに,この手法は,その簡便さとロバスト性から色素成分の分離計測技術としても化粧品業界で実際に利用されはじめている.しかし,現在の解析手法では肌色に関する経験的な濃度空間線形モデルを用いているため,抽出された成分量は定量的な値ではなく,抽出された成分の相対的な空間分布を得るのが限界であった. そこで,本研究において,独立成分分析により抽出された色素成分・陰影成分と各色素の吸収係数・散乱係数等の物理量との関係を明らかにし,抽出された成分の定量化を行った.光散乱の拡散近似で得られる理論式に対する肌の光学特性の範囲における追加近似により,拡散反射と吸収係数,換算散乱係数の間には,肌の光学特性の範囲においての関係が成り立つことを確認した.また,実際の肌と同じく表皮・真皮の二層モデルに対してもモデル化を行った.これにより,表皮の厚さ・吸収・散乱係数,真皮の吸収・散乱係数の5つをパラメータとして濃度空間において線形近似可能なモデルを構築することができた.このモデルを用いることにより,定量化測定が可能となった. 本研究の成果は,2005年3月31日に応用物理学会にて講演し,現在,論文投稿中である.
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