2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロメカトロニクス技術を利用した機能性フォトニック結晶素子の研究
Project/Area Number |
16760036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩本 敏 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (40359667)
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Keywords | フォトニック結晶 / マイクロマシン / 光導波路 / 光微小共振器 / チューナビリティー / 光スイッチ / 光変調器 |
Research Abstract |
フォトニック結晶にその特性を制御するための微小電気機械システム(MEMS)を集積化したMEMS集積化フォトニック結晶素子のプロトタイプの作製に成功し、フォトニック結晶線欠陥導波路において、MEMSによる光スイッチング動作に世界ではじめて成功した。フォトニック結晶線欠陥導波路上に300nmの空気ギャップを設けポリシリコン平板を作成した。電圧印加により、この平板が静電気力により駆動されフォトニック結晶との距離が変化する。この距離の変化により、エバネッセント相互作用を通してフォトニック結晶の光学特性が制御される。今回、SOI(Silicon-On-Insulator)基板上にフォトニック結晶線欠陥導波路を作製し、平板MEMS作製技術を用いて素子を作製した。フォトニック結晶上に稼動部を作製するため、MEMS作製プロセスについてはいくつかの改良を行った。作製した素子について、波長1.5μm帯で駆動電圧60Vにおいて透過光の消光比10dBを実現することができた。また、変調周波数は500Hzであった。MEMS構造および電極構成の最適化により、動作電圧低減化および変調周波数の向上を実現できると考えられる。これらの結果から、本年度の研究計画は十分達成された。現在、国際会議発表および論文投稿の準備をすすめている。来年度はより高効率素子の実現に向けた設計論の充実を図るとともに、フォトニック結晶微小共振器の共鳴波長およびQ値を制御し、波長可変フィルターなどの実現を目指す。
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