2004 Fiscal Year Annual Research Report
最高水準HTS-SQUIDセンサ性能を引き出す低価格分割型磁気シールドの開発
Project/Area Number |
16760048
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田代 晋久 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (50325487)
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Keywords | 磁気シールド / 電磁鋼板 / 生体磁気計測 / 磁気シェイキング / 増分透磁率 |
Research Abstract |
(1)無方向性電磁鋼板の磁気シェイキングに対する磁気特性調査 5つの無方向性電磁鋼板50H270,50H310,50H470,35H270,35H230(新日鐵社製)から内径4inch、外径5inchのリング試料を作成し、磁気シェイキングに対する増分透磁率変化を測定した。現行シールド材料の数十〜数百分の1のコストである50H470(数百円/kg)において、商用最高級パーマロイに引けをとらない27,000という高い増分透磁率が得られることが分かった。本材料は鉄心等に用いられるきわめて一般的な材料で、加工にも強く、熱処理なしでニブリング加工した試料でも10,000を超える高い値が得られた。本結果は2005年4月国際会議(Intermag2005)で発表する。(論文投稿中) (2)電磁鋼板を用いた両端開口円筒磁気シールドの作成 50H470を用いた小型の2重円筒を作成し、評価を行った。その結果、生体磁気計測に十分なシード比5,000を遙かに上回る20,000という値を達成し、本アイデアによる安価・高性能な磁気シールドが生体磁気計測で使用できる可能性を示した。本結果は同じく2005年4月国際会議(Intermag2005)で発表する。(論文投稿中) (4)両開き分割型シールド(雑誌論文1) 次年度着手予定の分割型磁気シールド(特開2004-179550)に関して、磁性薄帯を用いたつなぎ目を考案し、使用しやすくシールド空間にアクセスしやすい構造を実証し、報告を行った。 (3)磁気シールドの動向調査(雑誌論文2) 生体磁気計測に用いられる磁気シールドの世界的な動向を調査した。本年度から保険適用が認められたMCG・MEGには安価高性能な磁気シールドの開発が普及には必要であることと、様々提案されている先行技術の一長一短があることを報告した。
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