2005 Fiscal Year Annual Research Report
最高水準HTS-SQUIDセンサ性能を引き出す低価格分割型磁気シールドの開発
Project/Area Number |
16760048
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田代 晋久 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 助手 (50325487)
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Keywords | 磁気シールド / 電磁鋼板 / 生体磁気計測 / 磁気シェイキング / 増分透磁率 |
Research Abstract |
(1)軸方向シールド比向上 円筒磁気シールドで弱点となる軸方向シールド比を、分割型円筒磁気シールドを直交配置することで互いが持つシールド比の積として与えることができることを実験により確認した。 (2)巻き加工による円筒磁気シールドの作製 無方向性電磁鋼板50H470により長さ45cm、円筒厚み0.5cm、内径がそれぞれ14,17,20,23,25cmとなる5つの円筒を大型磁気シールド作製に有利な巻き加工により作製した。円筒中心において実測された径方向シールド比より理論式から比透磁率を逆算したところ、20A/m,60Hzのシェイキング磁界印加により600程度から100,000を超える値が得られていることを確認した。 (3)世界初となるHTS-SQUIDセンサによる電磁鋼板に対するシェイキング効果確認 前述の5つの円筒を多層構造にし、径方向から0.1Hz,13,000nTの一様外部磁界を印加し径方向シールド比を測定した。外側3つの円筒にシェイキング磁界を印加することで、シールド比が1,000から1,500まで増強でき、シェイキング漏洩磁界も5nT以下とHTS-SQUIDセンサが動作できる環境であることを確認した。しかし、従来設計法より予測していた100,000という値には程遠い値であった。 (4)透磁率の異なる多層円筒磁気シールドに対する径方向シールド比 径方向シールド比は最内円筒の長さ/直径がシールド比上限(開口端影響)を支配すると考えられてきた。しかし、最内円筒に比べ高い透磁率を有する円筒が外側にある場合は、こちらの円筒による開口端影響が支配的になることを、実験により明らかにした。電磁鋼板に限らず外側層に高透磁率円筒を配置するシェイキング方式円筒磁気シールドにおいてパッシブ層を設計する際に極めて重要な所見が得られた。
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