2005 Fiscal Year Annual Research Report
先端半導体デバイスの高・低温照射による導入欠陥の研究
Project/Area Number |
16760051
|
Research Institution | Kumamoto National College of Technology |
Principal Investigator |
葉山 清輝 熊本電波工業高等専門学校, 情報通信工学科, 助教授 (00238148)
|
Keywords | 陽子線 / 電子線 / 照射損傷 / 高温照射 / 低温照射 / FD-SOI / high-k / MOSFET |
Research Abstract |
宇宙空間を利用した通信技術は高度情報通信技術において重要な基盤技術の一つである.本研究では,放射線環境である宇宙空間での先端デバイスの利用を想定した照射損傷と損傷メカニズムの解明を行う.本年度は特に,Si系半導体デバイス(FD-SOIデバイス,PD-SOIデバイス,微細MOS(90nm)デバイス)の室温及び高温での照射損傷について調べた. FD-SOI n-MOSFETにおいて,チャネルの特性は裏面ゲートバイアス電圧に依存することが知られている.同デバイスに陽子線の室温照射及び電子線の室温と高温照射結果について,本年度は特に埋め込み酸化膜とSiの界面の劣化について調べた.ゲートにおける電子の直接トンネリングに起因した正孔注入によりボディの電位が変化することから,ボディ電位の推定方法を新しく提案し,照射後のボディ電位の変化から界面の損傷について議論した.また,ボディに電荷が充放電されることからドレイン電流にヒステリシス特性が生じることを利用して界面準位の損傷を議論することができた.さらに,PD-SOI MOSFETにおいて線形領域でボディへの正孔注入に起因した伝達コンダクタンスの2次ピーク値の変化によっても界面の損傷に関する情報が得られることを示した. HfSiON膜をhigh-kゲート絶縁材料として用いた微細MOSFETの室温および高温における電子線照射損傷についても調べた.従来のMOSFETに比較して微細MOSFETは照射後の特性変化が極めて小さく,照射耐性があることが分かった.これは,微細化に伴う不純物の高濃度化によって照射導入欠陥によるキャリア濃度変化が小さかったことが理由だと思われる. 低温照射に関しては,装置に一部不具合が生じ,残念ながら実験結果がまだ得られていないが,室温照射の試料の低温測定を行うなど,予備的なデータが得られている.
|
Research Products
(6 results)