2004 Fiscal Year Annual Research Report
配送スケジューリング問題の近似解法に対する精度保証を犠牲にしない高速化の検討
Project/Area Number |
16760055
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
軽野 義行 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (80252542)
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Keywords | 離散最適化 / スケジューリング / 近似アルゴリズム / 計算時間 / 搬送システム / 柔軟生産セル |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,配送スケジューリングの問題に対して,ある一定の精度を保証しつつ出来るだけ高速な近似アルゴリズムを設計し,また,それが実装の容易性や平均的な性能の観点からも優れているように構成することである.本年度は,問題の基本的な性質の洗い出しからスタートし,木状のネットワークにおいて,搬送車の受け持ち区域を部分木で近似するというアイデアに基づいたアルゴリズムを示すことが出来た.このアイデアに基づけば,近似比は過去の研究成果に比べて劣るが(デポの条件によって5倍近似と3倍近似がある),計算量は比較的低次の多項式的時間で抑えられることが分かった.この結果については,ある国際的な学術雑誌への掲載が既に決定している.ただし,その平均的な挙動を調べるための計算実験は,今後の課題として残っている. 本研究課題に関連する話題の一つとして,部品の配送とは逆の流れも知っておくために,部品の収集を取り扱う組立スケジューリングの問題も考察した。この研究においては,精度保証2倍の近似アルゴリズムを示すとともに,計算実験によって平均的な挙動を調べたところ,テストした殆どの問題例においてその相対誤差が1%以内という結果を得た.別の関連する話題として,無人搬送車(あるいは搬送ロボット)をマテハンシステムとして用いるバッファ容量に制約のある柔軟生産セルを対象として,その最適スケジューリングの問題も考察した.これについては,ヒューリスティックなアルゴリズムを提案し,マテハンシステムがボトルネックにならなければ,それによって高い稼働率が得られることを計算実験において確認した.
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