2006 Fiscal Year Annual Research Report
配送スケジューリング問題の近似解法に対する精度保証を犠牲にしない高速化の検討
Project/Area Number |
16760055
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
軽野 義行 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (80252542)
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Keywords | 離散最適化 / スケジューリング / 近似アルゴリズム / 計算時間 / 納期制約 / 搬送システム |
Research Abstract |
配送スケジューリング問題は,与えられたグラフの各節点に置かれたジョブの集合からなる.各ジョブは準備時間,処理時間および納期によって特徴づけされる.一台または複数台の搬送車が,与えられたグラフ上を移動しながらジョブの処理を行う.問題の目的は,定められた目的関数値を最小化(あるいは最大化)するような搬送車のジョブ処理スケジュールを求めることである.本年度の実績の一つとして,パス構造グラフを直進する一台の搬送車の選択的配送スケジューリングに対する結果が挙げられる.搬送車は与えられたパスの一方の端点を出発し,各枝をちょうど一回だけ訪れながら,単純にもう一方の端点まで移動する.このように搬送車が直進スケジュールに従って移動する問題では,任意の節点においてそのジョブの処理を行わずに次の節点に進むことができる.ただし,処理しなかったジョブについては定数違反コストが要求される.処理を受けたジョブについては,納期に間に合わなければ単位違反コストが支払われる.最小化すべき目的関数は,すべてのジョブについての総違反コストである.本年度はこの問題に対して擬似多項式時間解法を提案した.また,違反コスト定数が正整数で与えられるときは,データ構造を工夫することによって一層の高速化を図ることができ,結果的に多項式時間解法を提案することが出来た.さらに,選択的な問題の別の応用として,食品の袋詰め最適化問題を取り上げ,これについても擬似多項式時間解法を提案することができた.
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