2006 Fiscal Year Annual Research Report
多峰性多変数関数の、極めて正確で常に適用可能な大域的最適化を実用可能にする研究
Project/Area Number |
16760057
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮島 信也 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (20367072)
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Keywords | 精度保証付き数値計算 / 有限次元非線形方程式 / 全解探索 / 解の存在判定法 |
Research Abstract |
凸多角形制約条件下の大域的最適化問題では、与えられた問題を有限次元非線形方程式の求解問題に帰着させることがある。そこで非線形方程式の解の存在判定法を提案した。詳細は以下のとおりである。 非線形方程式の全ての解を求める方法としては、区間解析に基づく方法がよく知られている。区間解析に基づく方法においては、多くがMoore-Jonesの方法に基づいている。この方法を利用すれば、非線形方程式の全ての解を原理的には有限時間で求めることができる。 しかしこの方法は対象とする方程式が大規模になると膨大な計算時間を必要とするという欠点をもつ。 この方法の効率化を図るためには、解が一意的に存在する領域を早い段階で検出する優れた存在判定法の確立が必要となる。しかしMoore-Jonesの方法で用いられている解の存在判定法は必ずしも優れた方法ではなかった。 この原因の一つには区間演算の問題点である関数値の上下限の過大評価が挙げられる。 本研究ではアフィン演算を利用した新しい解の存在判定法を提案した。 アフィン演算は区間演算の一種である。区間演算では変数問の相関関係が無視されるために関数値の上下限の過大評価が起こってしまうのだが、アフィン演算ではアフィン形式とよばれる線形結合による多項式のもとで変数問の相関関係を考慮ながら計算を行うという特徴を持つため、関数値の上下限の過大評価を抑制し、区間演算よりシャープな関数値の包含を可能とする。 アフィン演算を利用した新しい解の存在判定法を導入することにより、解が一意的に存在する領域を早い段階で検出することが可能となった。 その結果Moore-Jonesの方法では実用時間内に解けなかった大規模非線形方程式の全ての解を効率良く求めることが可能となった。さらに本研究では数値例によって新しい解の存在判定法の有効性を確認した。
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Research Products
(1 results)