2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体骨構造のマルチスケール性を考慮したりモデリングメカニズムに関する研究
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16760071
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
東藤 正浩 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10314402)
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Keywords | 骨組織 / 階層構造 / 骨単位 / コラーゲン / アパタイト / コラーゲン / 複合構造 / 最適構造 |
Research Abstract |
本研究では,骨組織の微視的構造・力学解析に基づき,マルチスケール性を考慮した再構築メカニズムを明らかにすることを目的とし,以下の研究成果が得られた. 1.アパタイト-コラーゲン構造を考慮した微視的骨組織複合構造モデルの構築 骨組織のアパタイト-コラーゲン微視構造に着目し,アパタイト要素とコラーゲン要素からなる骨組織有限要素モデルを構築した.有限要素法により骨組織の巨視的な力学特性を再現する微視的な構造パラメータを同定し,骨組織の有限要素モデルを用いた力学シミュレーションにより骨組織の巨視的なひずみと内在する微視的なひずみ分布の関係を明らかにした. 2.X線回折による骨組織内微視ひずみの実験的観察 骨組織のコラーゲン-アパタイト構造に着目し,X線回折により外的負荷に対するコラーゲンおよびアパタイトの力学的応答を観察した。また結晶配向性および結晶化度から推定される微視的構造特性に着目し,構造特性と力学特性の関係についても明らかにした. 3.脊椎孔構造周辺部における骨組織の微視的最適構造 ウシ腰椎の孔構造周辺部における骨組織の微視的な構造特性を明らかにし,孔構造周辺部における骨組織の構造最適性について検討した.微視的には骨組織は無機質のアパタイトと有機質のコラーゲンからなり,コラーゲンとアパタイト結晶の配向方向には深い関係がある.そこで孔構造周辺部でのアパタイトの結晶化度と結晶配向性をX線回折により測定し,微視的な構造特性を明らかにし,巨視的な孔形状と微視的な構造・力学特性の関係から骨組織の最適構造性について考察した.
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