2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760074
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤本 岳洋 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (60314514)
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Keywords | 破壊力学 / 弾塑性破壊 / 有限要素法 / 三次元破壊 / 傾斜破壊 |
Research Abstract |
本研究ではまず5.2mmの板厚を有するアルミ合金材A5052製のCT試験片の破壊試験を行い,破壊進行中にき裂面が傾斜する現象を観察した.本試験では荷重装置のロードセルとストローク変位から試験片に与えられたエネルギーを評価し,傾斜破壊に要する外部仕事を算定した.続いて,き裂面形状をレーザーフォーカス粗さ計を用いて計測した.初期傾斜角度がゼロのき裂面がほぼ45°の傾斜面になるまでに要するき裂進展距離は約3.0mmであった.また,アルミ板材形成の圧延方向とき裂進展方向を変化させた複数の実験を行ったが,5mm程度の板厚では圧延効果が強くないためか,き裂面傾斜等の破壊挙動にその影響は顕著には現れなかった.今後の課題として,き裂面傾斜が変化する距離ならびに圧延方向の影響を調べるため,板厚の異なるCT試験片で追加の破壊実験を行う予定である. このようなき裂進展では,顕著な塑性変形(永久変形)がき裂進展箇所付近に残留する.そのため,数値シミュレーション開発にあたっては,まずき裂進展領域の塑性変形を精度よく評価できる移動有限要素法を開発した.本手法では,き裂進展後の破壊経路付近にも細分割された要素が配置されるため,詳細な非線形破壊挙動ならびに塑性変形分布を評価することができる.本プログラムには,各種の弾塑性破壊経路予測理論を導入することができ,既に局所対称理論,最大周方向応力説を導入した数値解析を行い,実験結果とよく一致することを確認している.続いて,現在,三次元移動有限要素法の試作を行い,このプログラムのパフォーマンスを調べており,結果が揃い次第,関連学会で発表する予定である.
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Research Products
(4 results)