2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しい粉末技術・湿式成形による複雑な穴形状ノズルのネットシェイプ創製技術の開発
Project/Area Number |
16760075
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 裕之 広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (90284158)
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Keywords | 高速遠心成形法 / 泥漿調整法 / 複雑形状品 / 中子 |
Research Abstract |
本年度の研究では,泥漿の調製条件を再検討し,粒子充填率と成形体強度の両面を満足する泥漿調製条件を確立した.またこれに則って成形した製品の焼結をし,焼結体の特性を評価した.得られた結果を以下に示す. 1.泥漿の散媒として,前年度とは異なった芳香族系有機溶媒を選択することとした.これは,結合剤との固化特性を考慮したものである.また,結合剤樹脂としても,新しくエポキシアクリレート系のものを選択した.これも,樹脂の固化特性,粘度,および脱脂特性を総合的に評価した結果から得られたものである.最終的に,現状で最適と思われる,分散媒,分散剤,結合剤樹脂の組み合わせを確定することが出来た. 2.結合剤と分散媒の配合比率を変えて成形を行い,成形体の粒子充填率と強度の組み合わせが最適になる条件を明らかとした.この結果原料粉末の大きさにより最適な結合剤樹脂凌駕変化すること,大まかに言って,粒子が小さくなるほど樹脂の添加量が少ない方が優れた結果が得られることが明らかとなった.そして,本研究で使われている粉末に対して,最も優れた結果が得られる結合剤樹脂の添加量を明らかにした. 3.試料中に発生するクラックの,発生原因を特定したところ,中子の溶解除去時と,結合剤樹脂の熱脱脂時にそれぞれクラックが発生する場合があることが明らかとなった.中子の溶解除去に関しては溶媒の温度を低下させること,結合剤樹脂の熱脱脂においても分解温度を下げることで,それぞれクラックの発生が抑制できることを明らかとした. 4.以上の条件で作製した成形体の焼結性は,結合剤樹脂無添加の単純形状品に対して,劣っていた.今後はこの原因を明らかとすると共に,実用に供することが出来うるだけの焼結体密度を確保する必要がある.
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