2004 Fiscal Year Annual Research Report
法線方向照射型レーザーオートコリメーション法による複雑曲面形状測定装置の開発
Project/Area Number |
16760084
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 浩貴 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50323043)
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Keywords | 精密形状測定 / レーザーオートコリメーション / 角度センサ / 光学素子 / 金型 / 法線角誤差 |
Research Abstract |
本研究は光学部品や高精度金型等の,高精度に作られた曲面の形状測定法を提案するものである.これらの測定対象は設計値が既知であり,設計値からの形状誤差も少ないという重要な性質を利用する.通常のレーザーオートコリメーション法は角度センサの測定範囲の制約からほぼ平面形状の対象にしか適用できないが,局所傾斜測定用のビームを偏向して設計法線方向から入射すれば,本来垂直に帰ってくるはずの反射光の偏角,ひいては局所傾斜と設計値の差を精密に測定でき,さらにそれを積分することで設計値からの形状誤差を得ることができる. 具体的なレーザービームの偏向機構として,凸レンズを用いる方法を提案した.レンズの光軸と平行に入射する光は,レンズの焦点を通るように向きを変える.これにより任意の角度に光の向きを変えることができる. 提案手法を検証するため,レーザーダイオードを光源とし,4分割フォトダイオードを受光部とした2次元角度センサを開発した.また,1軸ステージ上にペンタプリズムをのせ光線を平行移動させる機構と,直径40mm,焦点距離60mmの凸レンズを組み合わせることで最大17.5度の偏角を持つ光線偏向機構を開発した.この際,光の入射点の違いから生ずる球面収差の影響を取り除き,偏角の誤差を減少させている.測定対象物を移動するステージと上記偏向機構を連動制御し,測定対象物の特定位置の法線方向から光を入射可能な1軸形状測定システムを構築した. 直径40mm,曲率半径300mmの凹面ミラーを測定対象とし,1軸の断面形状の測定実験を行ったところ,測定の繰り返し性が20nmのレベルで形状誤差を測定できることを示した.
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