2005 Fiscal Year Annual Research Report
法線方向照射型レーザーオートコリメーション法による複雑曲面形状測定装置の開発
Project/Area Number |
16760084
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 浩貴 九州工業大学, 工学部, 助教授 (50323043)
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Keywords | 精密形状測定 / レーザーオートコリメーション / 角度センサ / 光学素子 / 金型 / 法線角誤差 |
Research Abstract |
本研究は光学部品や高精度金型等の,高精度に作られた曲面の形状測定法を提案するものである.これらの測定対象は設計値が既知であり,設計値からの形状誤差も少ないという重要な性質を利用する.通常のレーザーオートコリメーション法は角度センサの測定範囲の制約からほぼ平面形状の対象にしか適用できない問題がある.これに対し,局所傾斜測定用のビームを偏向して設計法線方向から入射する方法を提案した.この方法では入射光と反射光は入射光とほほ同じ方向に帰ってくることから測定範囲は狭いが高分解能の角度センサを利用できる.入射光と反射光のなす角の1/2が法線角誤差(設計値と,測定対称点の局所傾斜の差)となるので,これを積分することで設計値からの形状誤差を求めることができる. 具体的なレーザービームの偏向機構として,凸レンズを用いる方法を提案した.レンズの光軸と平行に入射する光は,レンズの焦点を通るように向きを変える。これにより任意の角度に光の向きを変えることができる. 1次元の形状計測システムの結果を受け,レンズならびに測定対象をマウントしたステージを,光軸に垂直なXY2軸方向に動かす機構に拡張した装置を用いての実験を行った. 2次元形状測定用の装置で形状が既知である対象を測定したところ,測定結果の繰り返し性はステージの持つ繰り返し性のレベルを持つことを確認した.一方,求めた形状には誤差が生じる結果となった.その原因を検証したところ,オートコリメータを用いた角度センサの較正時のミラー位置と,測定時の被測定点の位置が異なると,センサの特性が変化するためであるとわかった.そこで,実際の測定位置での角度センサの較正が必要となることが分かったが,比較測定による従来の手法では容易には正しく較正できないことも判明した.対策として測定対象そのものを較正基準とする自律較正法の適用を提案した.
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