2004 Fiscal Year Annual Research Report
人工関節置換術支援ロボットにおける骨切除現象解明とCAD/CAMシステムの研究
Project/Area Number |
16760085
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉田 直彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70372406)
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Keywords | 骨切削 / 人工膝関節置換術 / 切削抵抗 / 切削温度 / 微小切削 / バイオエンジニアリング / エンドミル加工 / ロボット・サージェリ |
Research Abstract |
(1)知能化マシニングセンタ上におけるエンドミル加工現象のデータ収集。 切削抵抗および切削温度を測定可能としたマシニングセンタ、および、開発した人工膝関節置換術支援骨切除装置の実働機能評価と加工機能評価に基づいて、骨材質と加工の関係、切削挙動の解明、エンドミル切削とそこから得られる最適加工条件、骨の切削温度測定と切削熱損傷の回避について、最適条件のデータベースを構築した。 (2)骨を模擬したモデルボーンおよび豚骨を用いた加工現象のメカニズム解析。 骨切除装置でとくに加工が困難とみられる皮質骨がどのように削られるのかを可視化2次元切削装置でモデル切削を行うとともに、微小切削域での切削機構を比切削抵抗と切削せん断応力から明らかにした。また、骨切除装置と同様の骨エンドミル加工を実験室的に行い,そこで骨のエンドミル加工特性を明らかにするとともに、切削条件や工具形状の観点から適切な加工条件を提案し、実際の手術における骨切除時間の短縮を試みた。さらに、骨の切削温度測定に際して、サーモグラフィーで切削直後の工具切れ刃温度を測定するとともに、被削材内部に埋めた熱電対で内部の温度分布を測定し、骨の切削温度の実態を明らかにするとともに、骨および工具の冷却による切削熱の低減方法を提案した。 (3)切削現象に及ぼす骨材質や骨構造の影響。 骨は工業材料とは異なりかなり特殊な材質と組織構造を有しているため、組織構造を明らかにし、その組織構造によって骨切除装置に適している加工方法の検討を行った結果、下向き切削でオステオン束に対して平行に切除することで、低切削抵抗、良好な表面粗さを得ることが可能であった。
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