2004 Fiscal Year Annual Research Report
硬X線用超平坦全反射ミラーの作製とコヒーレントX線による全反射の評価
Project/Area Number |
16760093
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三村 秀和 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30362651)
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Keywords | X線ミラー / コヒーレントX線 / 超精密加工 / 超精密形状計測 |
Research Abstract |
X線ミラーの作製には、EEMを用いる予定である。空間波長0.1mm以下の領域においては、EEMの中でも、回転球型EEM装置を用いる。空間波長領域0.1mm以上の領域は、ノズル型EEMによる数値制御加工により、平坦化を行う予定である。今年度は、回転球型EEM、ノズル型EEMの加工条件の再検討を行うとともに、試験的にX線ミラーの基板材料であるSi(001)表面の平滑化試験を行った。 EEMは、固体表面間の化学反応を用いた加工法であり、現在、超純水中に微粒子を分散させ、超純水の流れにより、加工物表面に微粒子を供給している。したがって、加工後表面に影響する要素として、下記が挙げられ、それぞれの項目について詳細な検討を行った。 1.超純水 一般的に、Si(001)表面は、超純水中において表面がエッチングされることが知られているが、弱酸性にすることでエッチング現象が観察されないことが示されている。微粒子にSiO_2を用いることで、加工液をpH5.5の弱酸性にすることが可能であり、エッチング現象を抑制した。 2.微粒子表面形状 微粒子の表面形状は、加工後表面の平滑性に直接影響する。表面が平滑な球形微粒子を用いることで、0.1nm(RMS)以下の平滑性の向上を確認した。 3.加工液中溶存酸素 超純水中では、溶存酸素が存在すると酸化現象が観察されるが、弱酸性の加工液中では酸化現象が起こらないことを確認した。 以上のことを確認し、平面ミラーの基板であるSi(001)表面の加工を行い、位相シフト干渉顕微鏡およびAFMにより、0.1nm(RMS)の平坦度を達成した。
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